[ 皮膚科の外用薬の使いかた ] FTUとは
2024.10.24

FTU : 軟膏・クリーム・ローションの正しい使用量

もらった薬を塗っているんだけど良くならない… もしかして「塗り薬を正しく使えていない」かも?

『皮膚科で処方された塗り薬、毎日塗っているのにあまり効かない…』
もしかしたら「指定された回数を塗っていても、毎回なんとなく手に取った分だけ使っている」せいで薬の効果が発揮していないだけかもしれません。
かぜ薬や高血圧などの飲み薬でも、例えば1回に1錠ずつ飲む必要のある薬を、もったいないからと半分に割って飲んだりすると思った効果が期待できないことはイメージしやすいと思います。
これと同じように、塗り薬も毎回正しい量を塗らなければ効果が半減してしまいます。

塗り薬にも飲み薬と同じように適正な使用量があります。正しい使い方を覚えて塗り薬を使いこなしましょう!

外用薬の使用量の目安:FTU(フィンガーチップユニットFinger-Tip Unit)

正しく外用剤を使用するための目安としてFTU(フィンガーチップユニット Finger-Tip Unit)を用います。

FTUとは、5mm口径の軟膏チューブで人差し指の先端から第一関節まで押し出した量のことを指し、約0.5gの量に相当します。この1FTUが両手のひら分の範囲に塗る適切な量になり、それ以上伸ばすと薬の効果が落ちてしまいます。

適切な量が塗れた部分では、皮膚がテカッと光って見え、ティッシュペーパーが数秒間くっつきますので、慣れてくればそれを目安にすることもできます。

|部位別のFTU目安量(成人の場合)

『マルホ:ヒルドイドの使用量の目安』より引用

小児のFTU

小児は年齢により体表面積が大きく異なるため、使用する軟膏の量が年齢によって異なります。下記の表を参考に成長に合わせて適正な量を塗布するようにしましょう。

|部位別のFTU目安量(小児の場合)

 

全身塗布時の使用量

『マルホ:ヒルドイドの使用量の目安』より引用

軟膏チューブ以外の外用薬の使用量について

軟膏チューブ、クリーム剤のチューブ以外に、ローション剤やカップ容器に入った軟膏・クリームなどが処方されている場合には下記の表を参考にしてください。

ローション剤1FTU(約0.5g)= 手のひらに1円玉大に出した量
カップ容器の軟膏・クリーム  1FTU(約0.5g)= 人差し指の先端から第一関節までの1/2の長さをすくった量

その他、フォーム剤など特殊な形状の容器については薬剤ごとに適正な使用量が異なります。特殊な形状のものについては各薬剤のパンフレット等を確認しましょう。

保湿剤の塗り方について

多くの保湿剤では副作用はほぼありませんので何度も塗って問題ありません。アトピー性皮膚炎の8割以上の患者さんで保湿が足りないという報告もあり、保湿剤を携帯して数時間おきに塗り直すことを目指しましょう。

保湿剤の基本はたっぷり塗る!そして、こまめに塗る!です。
「しっかり保湿してるのに乾燥する」と感じている方は、
1回に塗る量はFTUを意識して、塗る回数は1日あたり「+1~2回」を目安に増やしてみましょう。