じんましん

じんましん(蕁麻疹)について

蕁麻疹は、かゆみを伴う発赤が体のあちこちに現れる皮膚の症状です。発赤は一時的で、24時間以内に消えたり出たりすることを繰り返すのが特徴です。蕁麻疹はいくつかの種類に分かれます。

蕁麻疹の種類

  • 急性蕁麻疹(急性じんましん):毎日のように症状が現れる蕁麻疹で、発症して1ヶ月以内のものです。主な原因は細菌やウイルス感染です。
  • 慢性蕁麻疹(慢性じんましん):毎日のように症状が現れる蕁麻疹で、発症して1ヶ月以上経過したものです。原因が特定できないことが多いため、「特発性蕁麻疹」と呼ばれることもあります。
  • 物理性蕁麻疹(物理性じんましん):物理的な刺激(摩擦、圧迫、寒冷、温熱など)によって起こる蕁麻疹です。
  • コリン性蕁麻疹(コリン性じんましん):汗をかくことで起こる蕁麻疹で、小児から若い成人に多く見られます。
  • アレルギー性蕁麻疹(アレルギー性じんましん):特定の物質(アレルゲン)に反応して起こる蕁麻疹です。

ストレスと蕁麻疹の関係

ストレスは蕁麻疹の原因や悪化要因となることがあります。心理学的な調査では、慢性蕁麻疹を持つ人にはストレス状態にあることが多く報告されています。睡眠不足やストレスが引き金となって蕁麻疹が現れることもあります。

蕁麻疹と内臓の関係

ほとんどの蕁麻疹は内臓の病気からくるものではありませんが、一部の蕁麻疹では甲状腺疾患や膠原病などの病気が原因となることがあります。しかし、内臓の病気からくる蕁麻疹は稀なため、一般的な蕁麻疹とは症状の出かたが異なる場合が多いです。

蕁麻疹の治療

蕁麻疹の治療では、まず抗ヒスタミン薬の内服が行われます。抗ヒスタミン薬の効果には個人差がありますが、自身の症状に合った内服薬の場合には通常3〜4日で効果が現れることが期待されます。14日間ほど内服を継続した上で効果を判断し、治療効果が不十分な場合は、内服量を調整したり、他の治療法を検討します。

検査について

「じんましん」というとなにかのアレルギーで出る症状と考える方が多いですが、実はこの症状が出る方の7割以上が特定の誘因がなく出現する特発性蕁麻疹と言われています。特発性蕁麻疹の場合は、採血検査などで原因がわかることはほぼなく、内服薬による治療を行いながら生活リズムを整えていく、悪化のきっかけを探していく、などの方法で徐々に症状を抑えていきます。一方で、甲状腺疾患や膠原病が疑われる場合は、採血を行い原因を調べることで治療に役立つことがあります。